退去者の車が残っていても、管理会社の判断だけで廃車には進めません。賃貸契約、通知の履歴、車の名義を整理し、適切な手順を確かめます。
契約の範囲
賃貸借や駐車場契約で車両と残置物の扱いを確認し、退去だけで処分権限を断定しません。
所有者との連絡
退去者への通知日時と方法を保存し、連絡が取れなければ法律相談先へ手順を聞きます。
場所の安全
通行を妨げている場所や危険な状態を写真で記録します。急ぐ事情がある場合は法律相談先や関係機関へ伝え、独断で搬出や解体を手配しないでください。
部屋の退去が済んでも、駐車枠の車は別の案件
鍵の返却と部屋の明渡しが終わった日に、駐車場に車だけ残ることがあります。管理会社には次の入居者へ駐車枠を渡す予定があり、早く動かしたい事情もあります。しかし、賃貸借の終了、駐車場契約の終了、車の所有者が処分に同意したことは同じ出来事ではありません。まず部屋と駐車場の契約者、解約日、車両の登録番号を案件の記録で分けます。退去時の残置物欄に車の記載がないなら、その欄だけを根拠に引取日を確定させないようにします。
管理会社が把握しているのは物件の使用状況であり、車の権利関係の全てとは限りません。借りていた人の車だと思っていても、所有者がローン会社や別の家族という場合もあります。車検証を車内に探しに入る前に、車へアクセスする権限があるのか、誰が立ち会うのかを管理会社内で確認してください。車を処分したいという退去者の連絡が取れた場合も、会話の内容と連絡した本人を記録し、見積相談に必要な情報の提供と正式な引渡しの承諾を区別します。
連絡不能と処分の同意は同じ意味ではない
退去者の電話がつながらなくなったときは、最後に通話できた日、メールや書面を送った先、返信の有無を順番に残します。着信がないという記録だけでは、相手が車を放棄したと判断する材料として足りません。保証人、物件の所有者、駐車場契約の当事者にそれぞれ何を伝えてよいかも、契約と個人情報の扱いを確かめてから進めます。退去者を探すために車内の私物や端末を勝手に見たり、駐車場の張り紙に氏名や連絡先を大きく出したりするやり方は避けます。
連絡が取れたとしても『車はもう使わない』という言葉だけで、誰に売るか、いくらで引き取るか、必要な書類を誰が出すかまで決まるわけではありません。退去者には車検証の所有者と現在の鍵の所在を尋ね、所有者が別ならその人の関与が必要かを引取先へ説明できるようにします。メールで了承を得たら、その文面が車の移動だけを認めたものか、処分も含むのかを読み直します。曖昧なら管理会社が幅広く解釈して進めず、対象車両と依頼内容を具体的に確認します。

相談するとき、手元にあると役立つもの
- 賃貸契約
- 連絡記録
- 車両写真
問い合わせるときの伝え方
電話やLINEでは、たとえば次のように伝えられます。
退去者が残した車について管理会社から相談です。処分権限の法律相談は【未着手・確認中・確認済み】です。権限の確認後に搬出を依頼する予定で、現地調査や見積もりに必要な車両・駐車場情報を教えてください。
まだ分からないことは「不明」と伝えてください。書類や写真は、送り方を案内してもらってから用意します。
駐車枠の期限は、車の状態と一緒に伝える
次の契約者の利用開始日が決まっているなら、その日と管理会社が現地を使える時間帯を先に洗い出します。車の撤去が可能になる前に次の利用を約束していた場合は、駐車枠の調整を物件側で検討する必要があります。引取先への相談では、車種と登録番号だけでなく、車の向き、出入口の幅、車の前後に停まっている別の車、天井や屋根の高さを伝えます。駐車場が機械式や地下なら、通常の引取車両が入れると決めつけず、設備管理者の利用条件も確認します。
退去後に車の鍵が手元にない、バッテリーが上がっている、タイヤが傷んでいるなどの情報は、搬出方法や見積の前提を変えます。見た目で分かる範囲と本人から聞いた範囲を区別し、『自走可能』と推測で書かないことが大切です。駐車区画の使用料や次の入居者への影響は管理会社の案件記録に残し、車の査定額や引取費用と足し引きした単一の数字で退去者に示さないほうが、争点の違いが伝わります。

次の入居予定があるなら、その日程を法律相談先へ伝えます。急ぐ事情と処分権限を分けて扱います。
退去者の車を管理会社が撤去できますか?
契約終了だけで処分権限は断定できません。契約終了日と車両所有権の消滅は同じではありません。
所有者を調べる資料と、車を動かせる権限を分ける
車の持ち主が分からない場合、登録自動車には登録事項等証明書で情報を調べる道筋が案内されています。ただし、照会に必要な理由や資料があり、取得できたこと自体が管理会社へ処分の権限を与えるわけではありません。軽自動車など車種によって窓口も異なるため、『番号が分かったからすぐ引取へ』と進める前に、契約書、通知の記録、所有者の回答をまとめます。個別の権利や手続きで判断が難しければ、管理会社の顧問など適切な専門家へ事実関係を示して相談する場面です。
所有者情報が得られず、退去者とも連絡できないまま、車が次の利用を妨げていることもあります。その状況を引取事業者へ伝えて搬出可能な車種や方法を聞くことはできますが、実施の承諾は別に必要です。引取先から『この状態なら運べる』と返答があっても、管理会社に処分を任されたという回答ではありません。見積書は、権限が整った後に必要となる日程と費用を物件側が見通す資料として扱い、車をいつ動かせるかについては未確定と明記します。
引渡し時は鍵、車内品、区画の状態を別々に残す
所有者側の承諾と必要な条件が整ったら、管理会社が現地立会いをするか、退去者や所有者が引取先と直接会うかを決めます。管理会社が鍵を預かっている場合は、預かった経緯、鍵の本数、引渡先を記録します。車内の私物を管理会社の残置物として一括処分せず、車の所有者へ返すもの、物件側で保管しているものを分けて扱います。車を出した後には駐車枠の汚れや置き残し、車止め等の状態を写真に残すと、後の物件管理に使えます。
退去者に送る説明には、部屋の明渡日、車の引渡日、駐車場の利用終了日を一行にまとめず、それぞれの日付を載せます。車の契約に伴う金額、物件契約に伴う精算、立替費用があれば項目を分け、誰が受け取り誰が支払う話なのかを明示します。引取後の書類が誰へ届くかも決めておけば、管理会社が『車はなくなった』と確認できても、退去者が手続きの完了を知らないという行き違いを減らせます。
もう少し詳しく知りたい方へ
あわせて確認できる公表資料
- 国土交通省 駐車場管理規程例の策定について
長期滞留車への対応の一般資料。賃貸物件の個別契約に基づく処分権限を定めない。
- 和歌山運輸支局 登録事項等証明書の交付請求
登録自動車の所有者・使用者情報照会の案内。軽自動車と処分権限には転用しない。
廃車ネットへ相談する
広告・優先掲載 相談先:廃車ネット(サイセイ自動車)
相談対象・進め方は、掲載事業者の廃車ネットの公式相談案内で確認できます。
車の状態と置いてある市区町村、引き取りを希望する時期をお伝えください。引き取りができるか、費用はいくらか、いつ来てもらえるかは、車と駐車場所の条件によって変わります。案内された内容を確かめてから依頼を決めてください。
内容確認日:2026-10-29。相談文は状況を伝えるための例です。実際のお客様の体験談・口コミではありません。必要書類や手続きは車種・名義などで異なるため、管轄窓口や相談先の案内をご確認ください。

